メールなりすまし対策チェック

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偽の請求書・振込先変更メールを防ぐ設定(SPF・DMARC)を、ドメインを入れるだけで判定

「振込先が変わりました」という取引先を装ったメールは、送り主のドメインを偽って送られてきます。自社のドメインに偽物を拒否する設定があるかどうかを確かめましょう。

入力したドメインは当事務所のサーバーには送られません。ブラウザから公開の DNS 問い合わせサービス(Cloudflare)に直接問い合わせ、誰でも見られる公開情報だけを調べます。

どんな詐欺? 振込先変更メールの手口

取引先の社名とメールアドレスをそのまま名乗った偽メールで、振込先を攻撃者の口座に変えさせます。見た目では本物と見分けがつきません。

差出人の表示は本物と同じ
差出人〇〇商事 経理部 <keiri@〇〇shoji.co.jp>
件名【重要】お振込先口座変更のお知らせ
いつもお世話になっております。
監査の都合により、今月のお支払い分から下記の口座へお振込みをお願いいたします。
△△銀行 □□支店 普通 1234567
※ 社名・アドレス・口座は架空の例です

対策がないと

攻撃者取引先の名前とアドレスを名乗って送信
自社のメールサーバー本物か確かめる手がかりがなく、そのまま受信
経理担当者いつもの取引先からのメールに見えるので、新しい口座へ振込
お金は攻撃者の口座へ取引先には入金されず、翌月の督促で初めて気づく

取引先がドメインに DMARC を設定していると

攻撃者同じように偽メールを送信
自社のメールサーバー取引先のドメインの設定を見て確かめ、「偽物」と判定して拒否
経理担当者には届かないだまされる機会そのものがなくなる

ポイント:守ってくれるのは名乗られた側(取引先)の設定です。つまり、自社のドメインに設定すると、自社を名乗る偽メールから取引先を守れます。

防げないもの:「〇〇shoji-co.jp」のような1文字違いの似たドメインから送られる偽メールは、この設定では止まりません。振込先の変更依頼は、メールに書かれた番号ではなく以前から知っている電話番号にかけて確かめるのが確実です。

実際に起きていること 2025年には、実在する証券会社を装ったメールでログイン情報が盗まれ、証券口座が不正に取引される被害が急増しました(総務省、2025年9月1日)。同じ年、偽メールの送り主として選ばれたのは、DMARC が未設定か「監視だけ(p=none)」の会社のドメインでした(フィッシング対策協議会「フィッシングレポート2026」)。

よくある4つの手口と、設定で防げるもの

差出人欄は、郵便の封筒と同じで送る人が自由に書けます。特別な技術は要らず、誰でも偽れます。手口は主に次の4つで、このツールが確かめる設定で防げるのは①だけです。

手口どう偽るかDMARC で
① アドレスをそのまま偽るkeiri@〇〇shoji.co.jp を名乗って送る防げる
② 表示名だけ偽る表示は「〇〇商事 経理部」、実際のアドレスはフリーメール。スマホでは表示名しか見えないことが多い防げない
③ 似たドメインを使う〇〇shoji-co.jp、〇〇sh0ji.co.jp(数字の0)など、1文字違いのドメインを取って送る防げない
④ 本物のメールを乗っ取る取引先のメールアカウントに不正にログインし、過去のやり取りの返信として送る。本物から送るので、判定はすべて「本物」になる防げない

②〜④は、メールの設定では止まりません。どの手口にも効くのは、振込先の変更は、前から知っている電話番号にかけて確かめるという社内のルールです。メールの設定と経理の確認ルールの両方がそろって防げます。

SPF・DKIM・DMARC の役割

メールを受け取ったサーバーは、3つの設定を使って「本当にそのドメインから来たメールか」を確かめます。郵便にたとえると次のとおりです。

SPF

たとえるなら:差出元の郵便局の確認

「このドメインのメールは、このサーバーからしか出しません」という一覧。届いたメールが、一覧にあるサーバーから来たかを確かめます。

DKIM

たとえるなら:封筒の封印・印鑑

送るときにメールへ電子署名を付けます。受け取った側は、途中で書き換えられていないこと、本当にそのドメインが出したことを確かめます。

DMARC

たとえるなら:不合格だったときの扱いのルール

SPF・DKIM の確認で偽物と分かったとき、どう扱ってほしいかをドメインの持ち主が決めておくもの。偽メールを実際に止めるのはこれです。

受け取ったサーバーでの判定の流れ

メールが届く差出人:〇〇shoji.co.jp
SPF の確認一覧にあるサーバーから来たか
DKIM の確認署名が正しいか
DMARC で判定どちらかが合格し、差出人欄のドメインと一致していれば本物
本物 → 受信箱へ
偽物 → 持ち主が決めた扱いに従う
  • 未対策DMARC なし:受け取る側の判断任せ
  • 途中p=none:何もしない(届く)
  • 対策済みp=quarantine:迷惑メールへ
  • 対策済みp=reject:受け取り拒否
  • SPF・DMARCとは何ですか?

    どちらも、メールの送り主が本物かどうかを受け取る側が確かめるための設定です。SPFは「このドメインのメールを送ってよいサーバーの一覧」、DMARCは「確かめて偽物だったときに、受け取る側にどう扱ってほしいか(何もしない/迷惑メールへ/受け取り拒否)」をドメインの持ち主が公開するものです。

  • 会計・経理と何の関係があるのですか?

    取引先や自社の役員を装って「振込先が変わりました」「至急この請求書を支払ってください」と送る詐欺(ビジネスメール詐欺)は、送り主のドメインを偽ることで成り立ちます。自社のドメインにDMARCで「偽物は拒否」と設定しておくと、自社を装った偽メールが取引先に届きにくくなります。

  • 入力したドメインはどこかに送られますか?

    FAQT会計事務所のサーバーには送られません。お使いのブラウザから、誰でも使える公開のDNS問い合わせサービス(Cloudflare)に直接問い合わせます。調べるのはインターネット上で誰でも見られる公開情報だけで、相手のサーバーに攻撃や侵入を試みるものではありません。

  • DMARCが「p=none(監視だけ)」と表示されました。問題ですか?

    設定の第一歩としては正しい状態ですが、このままでは偽メールは止まりません。p=noneは「偽物でも何もしないでください」という意味です。届くレポートで自社の正規のメールが確かめに通っていることを確認したら、quarantine(迷惑メールへ)、reject(受け取り拒否)の順に強めていきます。

  • DKIM(電子署名)はどうやって調べていますか?

    DKIMはメールに電子署名を付ける仕組みです。署名の鍵は「セレクタ」という名前の場所に置かれ、その名前はメールサービスごとに異なります。本ツールは Google Workspace・Microsoft 365・Xserver など、よく使われるサービスの名前を順に試して探します。見つからなかった場合も、別の名前で設定されている可能性があるため「未設定」とは断定しません。確実に確かめるには、実際に届いたメールのヘッダーで確認してください。